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6月のおはなし ~一隅を照らそう~

6月4日は、日本で天台宗を開かれた伝教大師最澄さまのご命日です。ご命日には寛永寺だけでなく日本各地の天台宗寺院で、最澄さまを讃える「山家会(さんげえ)」という法要が営まれ、梅雨の足音が聞こえるこの季節がやってきたな、という気持ちになります。

 さて天台宗では、最澄さまが『山家学生式(さんげがくしょうしき)』という書物で述べられたお言葉をもとに、「一隅(いちぐう)を照らす運動」を行なっております。信仰と実践によって一人ひとりが心豊かな人間になり、平和で明るい世の中を共に築いていこうという社会啓発運動です。

最澄さまが『山家学生式』を著された動機は、それまでの日本に存在しなかった菩薩僧を養成したいとの理念があったからでした。そこで最澄さまは、

「国の宝」とはどういったものでしょうか。「宝」とは、おさとりを求める心であり、その心を持つ人を「国の宝」と言うのです。
『山家学生式』


と高らかに宣言されました。そこで、「一隅を照らす」ことが、国宝だとおっしゃったのです。一隅とは、あなたがいるその場所のことを指します。今、あなたが置かれている場所や立場で努力することであなたが輝きます。あなたが輝くことで、周りの人々も輝くのです。国宝とは、周りの人々を照らす人材なのです。

この運動が広まったのでしょうか、大人気だったテレビドラマでも「一隅を照らす」が取り上げられました。

どうか一隅を照らす人になってください。一隅を照らす人はこの国の宝です。隅っこがしっかりしていれば、何だってできるのです。人を包んであげられる、優しい人になって下さい。
(「3年B組金八先生」最終回で武田鉄矢さん演じる金八先生が生徒に向けた言葉)

6月19日(金)には「第47回 一隅を照らす運動 東京大会」が開催されます。 最澄さまが悲願とした「一隅を照らす国宝的人材の養成」という願いが込められた大会です。 
皆さんも「一隅を照らす運動 東京大会」へ是非ご参加下さい。

第47回 一隅を照らす運動 東京大会
平成29年6月16日 場所:浅草公会堂  
正午会場・午後1時開会