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9月のおはなし ~お彼岸を迎えて~

今月はお彼岸です。秋のお彼岸の期間は秋分の日を中心とした7日間(一週間)です。寛永寺では秋分の日(今年は23日)に秋季彼岸会施餓鬼法要を執行いたします。当日は大変多くのお参りがあり、お墓地もお供えの花に彩られ、お線香の煙につつまれます。

ところでお彼岸は「彼の岸」と書きます。つまり「あちらの岸」という意味。すると、「あちら」とはどのような場所なのでしょうか。

実は、宗教的な理想の境地である「さとりの世界」があちら側の岸である彼岸にあたります。仏教では、ご先祖さまは極楽に往生されたと説きますが、そのご先祖さまが集う場所が「さとりの世界」です。ただし、ご先祖さまだけでなく、私たち自身もいつかは「彼岸」に行きたいという願いがどこかにあるはずです。そこで墓参りをし、お花を手向けるなど、仏教で考える「良いこと」をご先祖さまのために追いかけて行う=「追善(ついぜん)」を行うことで、彼岸にいるご先祖さまに安心してもらうだけでなく自身も彼岸に向かう具体的な第一歩とするのが、お彼岸の大きな意味なのです。

ちなみに彼岸の対義語は「こちらの岸」の意味である「此岸(しがん)」です。お墓まいりをすることが彼岸への第一歩であるわけですから、彼岸会とは「さとりの世界」だけを仰ぎ見るだけでなく、「こちらの岸」にいる自分を省みる期間にしたいものです。

羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
(ぎゃーてい ぎゃーてい はーらーぎゃーてい はらそうぎゃーてい ぼーじーそわか)
往ける人よ 往ける人よ 彼岸に往ける人よ
まったく彼岸に往ける人よ さとりよ 幸あれ      (『般若心経』)



※法要への参列は大切な「追善」です。