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今月のおはなし〈12月〉

12月8日は、お釈迦さまがおさとりを開いた「成道(じょうどう)」の日です。この日は4月のお誕生(花まつり)・2月の涅槃に入られた日と並び、お釈迦さまをたたえる行事が行われます。

 お釈迦さまは約2500年前のインドの方で、国王の子供として何不自由なく育てられ、実は結婚して子供も授かっています。ところが、ひょんなことから「四苦八苦」を知ったお釈迦さまは、出家して修行に入ります。一般的に29歳であったと言われ、5人の仲間と大変に厳しい修行生活を送られました。しかしどんなに過酷に修行しても、おさとりは開けません。そこで苦行を捨て、菩提樹の下で坐禅を始めるのです。仲間はお釈迦さまが堕落して厳しい修行を辞めたのだと、見捨ててしまいました。

 一人になったお釈迦さまの中に現れたのは、修行を妨げる自身の欲望でした。おさとりが開けなかったのは、自分の心が不安定だったからでした。こうして心の中の戦いに打ち勝っておさとりを開いたのが、12月8日だったのです。お釈迦さまは35歳になっていました。こうしてお釈迦さまがおさとりを開かれたことで、「仏教」は始まったのです。しかし、お釈迦さまのおさとりの内容は大変に深いものでした。そのため説法することをためらったお釈迦さまは、4週間とも5週間とも言われる期間、ひとりでその楽しみを味わったのです。

 そんな自身で満足されたお釈迦さまに対し、説法を勧めたのは梵天(ぼんてん)と帝釈天(たいしゃくてん)でした。「梵天勧請(ぼんてんかんじょう)」と呼ばれるエピソードを挟み、お釈迦さまはやっと重い腰を浮かせます。こうしてお釈迦さまが最初に説法をしようとしたのは、一緒に修行をしていた5人の仲間でした。お釈迦さまが堕落していると信じている仲間たちは、はじめは口もきかないつもりだったようです。しかしおさとりを開かれたお釈迦さまのただならぬ雰囲気に、5人は自然とお釈迦さまの説法を聞く準備を整えたのです。

 

 お釈迦さまの教えはさまざまありますが、一つだけご紹介致します。


 「他の識者の非難を受けるような下劣な行いを決してしてはならない。一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。」(『スッタニパータ』)


 お釈迦さまの成道にあたり、お釈迦さまが育み伝えたかったこととは何か、改めて学び直してゆきたいものです。